餅売りの嫗(おうな)の話。
皆さん。こんにちは。
タッチハウス、スタッフのまきです。
沖縄と奄美地方は梅雨入りしましたね。
こちらも梅雨の走りでしょうか?
不安定なお天気が続いています。
黄色いショウブが5月を締めくくるようです。
静岡県東部の韮山・原木(ばらき)という所に
成願寺というお寺があります。
このお寺は源 頼朝が名もない餅売りのお婆さんの
望みを叶えて建てたと言われています。
その昔、源 頼朝は韮山の地に流されて、
とらわれの身でした。
いつか平氏を倒し、源氏を再興させようという
願いをいだき、道のりが二里もある三島大社へ
毎朝のように参詣していました。
この道筋の茶店に、ひとりの嫗がおり
草餅を売っていました。
頼朝は時々この茶店に寄り、草餅を食べるのが
楽しみでした。
そして、ふたりはお互いに肉親のような安らぎを
感じるようになっていきました。
やがて、頼朝は平氏を滅ぼし鎌倉に幕府を開きます。
将軍となった頼朝は、草餅で励ましてくれた
嫗への恩を忘れてはおらず、礼をしたいと
鎌倉へ呼び、望みのものを尋ねますが、
媼は立派になった頼朝の姿を見られただけで
充分だと言います。
それでも約束を果たしたいと言う頼朝に、
媼は小さな寺を建てて欲しいと言いました。
そのお寺が成願寺。
そして嫗を型どった木彫りの像も
寺には収められているということです。
心あたたまる郷土の昔ばなしでした。
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